2023年版・プロダクトマネージャー面接のポイント

 
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Daichi Takayama
Daichi Takayama (高山 大地)

以下の文章はGarrett Ryskoさんからの許可を得て翻訳したものです。

https://bootcamp.uxdesign.cc/interviewing-for-product-manager-roles-in-2023-82746b20b8eb

2023年版・プロダクトマネージャー面接のポイント

私はこれまで、プロダクトマネージャー職の面接を500回以上担当してきました(正確な回数は覚えていません)。この記事では、2023年に面接に合格した候補者がどのような戦略を用いたのか、どうすれば面接官に優れていると感じてもらえるのか、そしてChatGPTや生成的AIのような技術が産業に変革をもたらしている中、適応性がなぜプロダクトマネージャーにとって核心的なスキルとなっているのかについて紹介します。

プロダクトマネージャーの面接での成功ポイントや、よくある質問とその答え方、そして2023年のトレンドを踏まえた上での、面接官への質問の仕方など、具体的なアドバイスを盛り込んでいます。

以下のような課題を持っている方は、この記事が役立つでしょう:

  • 回答が冗長で簡潔さに欠ける
  • 企業の市場や状況についての知識が浅く、回答が表面的
  • 答えに構造やフレームワークがなく、支離滅裂
  • 業界の基本用語(例:SDLC、ディスカバリー、必要なタスク、ユーザーセグメントなど)への理解が不足している

他者との差別化を図る — 雇用者にぜひ尋ねたい最適な質問

面接に合格するためには、その事業の核心や、どのようにして独特の強みを競争の中で活かしているのかを理解することが鍵です。この理解を相手に伝えるために必要なのが、洞察に満ちた質問です。企業や製品への深い興味や関心を伝えるための、私が特におすすめする質問を以下に紹介します:

1.「御社の今後3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月の主な目標をお聞かせください。」

入社を検討する際、採用担当者が企業の短期、中期、長期のビジョンをどれだけ明確に持っているのかを知るべきです。これにより、そのポジションへの真剣な取り組みや投資の度合いを感じ取ることができます。この質問は、自分がその役職にフィットするのか、そして採用側の期待するタイムラインでの実績を上げることができるのかを判断する助けとなります。

2.「どのような基準で製品の成功を評価されていますか?」

製品の成功をどう評価するかは、自分の成果や実績がどのように評価されるかを間接的に示しています。企業がどのような指標や基準で製品の成功を判断しているのかを把握することで、企業が期待している目標や成果がそもそも現実的かどうかを判断する材料になります。例えば、すでに飽和している市場の中でユーザー数を3倍にするという目標を持つ大手企業や、9ヶ月間で売上を0から1,000万ドルに増やそうとしている新進気鋭のスタートアップなどです。

3.「社風や価値観はどのように形成されていますか?」

以下のポイントに注意してください。

  • 会社を「家族のような存在」と評価することは一見良さそうに思えますが、時にはそれが問題のある職場文化の暗示であることがあります。
  • 「このポジションは長い間空席でした!」という答えは、企業が非現実的な期待を持っているか、求める人材像が具体的でないことを示唆しています。
  • 高い退職率や短い勤務期間は警戒が必要です。良い社員を雇用することは、彼らを維持するのと同じくらい重要だからです。
  • 柔軟性の乏しい、もしくは硬直的な労働時間についての言及は注意が必要。例えば、「製品リリースの際は全員の集中が必要」という考えは、ワークライフバランスが取れていないか、十分なリソースや時間の計画がなされていないことを示している可能性があります。

4.「チームとしては今、どのような課題に直面していますか?市場XがYの動きを見せる中、それがどのような影響を及ぼしていますか?」

この質問は、あなたが企業や市場の状況に関心を持ち、リサーチを十分に行ってきたことを示します。さらに、企業が将来の展望や戦略についてどれだけ明確に考えているかを確認するためのものです。

また、自分がその企業の課題を解決するのに適した人材であるかどうかを見極めるための質問でもあります。

たとえば、もし企業がまだ製品と市場とのフィットを確立していない場合、ユーザー発見セッションの実施などの提案ができます。あるいは、製品を市場に出していものの、技術的な課題や多くの要求を持つ顧客に対応するのが困難であれば、優先度を明確にしたロードマップの策定などの提案をすることが考えられます。

従って、チームの直面する課題や市場の動きについての質問は、あなたが具体的な問題解決スキルを持っていること、そしてチームの成果にどのように貢献できるかを示す絶好の機会です。

5.「ユーザーリサーチやテストに関してのアプローチはどういうものですか?」

ユーザーリサーチとテストは、製品開発の骨格です。もし企業が「ユーザー中心」の考えを持っていないのであれば、それは注意点です。企業の取り組み方を知ることで、どれだけユーザー指向の製品開発を重視しているか、そしてその方針がしっかりしているかを把握することができます。

6.「所属することになるチームや部門について、詳しく教えていただけますか?」

入社する際、企業内の組織構造や文化を把握することは極めて重要です。特にPMとして、他部門やチームとの連携が求められるため、その関係性やコミュニケーションの流れを事前に知ることで、入社後のトランジションをスムーズに進めることができます。

企業が大きくなると、部門間のサイロ化や官僚制度の増加が避けられないことがあります。しかし、そのような状況は、新しいアイディアや提案を実現する上での障壁となることがあるため、事前にその状況を理解することは大切です。

具体的に、チームメンバーや部門の役割、ミッション、ビジョン、製品開発のアプローチ、そしてどのようなコミュニケーションツールや手法を取り入れているのかなどの情報を得ることで、自分がどのようにその組織の中で最大の効果を発揮できるのかを考える材料とすることができます。


じっくりと準備を進めましょう

現在のテック業界のPM求人への面接プロセスは、多くの才能を持ったFAANG/MATANA企業から最近退職したPMたちが市場に参入したため、かつてないほどの競争が繰り広げられています。そして2023年、驚くべきことに面接官の集中力は過去最低となり、興味を保持する時間がわずか12秒から8.25秒へと減少しました。

面接官も私たちと同じ人間です。彼らはTiktokやRedditのようなプラットフォームで迅速に情報を取得し、面接の直前まで情報を求めているかもしれません。そのため、あなたは彼らの質問に対して簡潔で、的確、そして事実に基づいた回答を準備する必要があります。冗長な回答は逆効果になる場合があります。

私の経験から言うと、面接で成功するための鍵は、面接の質問を初めて耳にすることを避けることです。

事前にこれらの質問を確認し、確固とした回答をいくつか準備しておくことが大切です。そして、それを繰り返し練習することで、回答が自然になります。頭の良い人であっても、時々、予想外の状況で戸惑ってしまうことがあるのです。

この情報から得ることができる最良のアドバイスは、ThePMInterview.comで数週間、綿密に準備を重ね、Lewis C Linの『Decode and Conquer』などの信頼される資料とあなたの回答を比較検討することです。

ThePMInterviewでは、以下の5つの質問タイプを中心に取り扱っています:

  • 一般的な質問: 例「なぜ仕事を辞めようとしているのですか?」や「PMの面接を受ける際、どんな点を重視しますか?」
  • 行動に関する質問: 例「2つの選択肢がある場合、どちらを選びますか?」や「ある経験について教えてください...」
  • 推定に関する質問: 例「多くの顧客にサービスを提供するためのURL短縮サービスに必要な文字数は?」
  • 製品設計に関する質問: 例「税金申告用のモバイルアプリはどのように設計しますか?」
  • 戦略に関する質問: 例「クレジットカードの販売機周辺で、どのように製品の防護を行いますか?」

以下、PMの面接で頻繁に出る質問と、それに答えるためのヒントをご紹介します。

1.「製品開発の流れについて教えてください。」

この質問は、あなたがどのように製品開発を進めるか、そして多様なチームメンバーとの連携方法を知るためのものです。回答する際は、さまざまなフレームワークへの知識を示すだけでなく、実際にそれを実施した経験をアピールする言葉を選ぶことが大切です。デザイナーやエンジニア、他の関係者との連携の重要性、成功の定義方法、データドリブンな意思決定のポイントを強調してください。

具体的な事例を織り交ぜて説明しましょう。

「私の製品開発へのアプローチは、まず顧客とそのニーズを深く理解することから始めます。優先順位を決める際には、R.I.C.E.などのフレームワークを活用してユースケースをランク付けします。

デザイナーやエンジニアと緊密に協力し、ユーザーに試してもらえるプロトタイプを作成します。そして、目指すSUSスコア、たとえば70以上を達成するために、製品の微調整を繰り返します。全てのステップでKPIを基に成功を測定し、データドリブンな意思決定で製品を進化させます。具体的には…」

2.「機能の優先順位はどのように決め、トレードオフをどう取り決めますか?」

PMとして、どの機能を優先するか、さまざまな選択肢の中から最善を選ぶ能力は常に求められます。答える際、データやユーザーフィードバックを元にした決定プロセスをアピールすることが重要です。難しい選択を迫られた際の具体的な経験を共有すると良いでしょう。

「機能の優先順位付けは、私にとって常に顧客のニーズとその価値の最大化を中心に据えるものです。そこから、各機能がビジネスに与える影響と、それを構築するために必要なリソースを評価します。

例として、以前私が関わっていた製品には、技術的な負債の解消、バグの修正、不満を持つ顧客という問題が山積していました。しかし、新機能をリリースすることで多くの新しいユーザーを引き付ける可能性もありました。明確な答えが出るものではありませんでした。私は、バグによって影響を受ける顧客の数やその深刻さを測定し、新しく取り込めるユーザーの数と比較しました。

最終的には、私たちは初めに最も深刻なバグを修正し、その後、新機能の開発をスピードアップすることで、既存の顧客を満足させながら、新しい顧客も獲得するという中間的なアプローチを採用しました。このような状況では、データとフィードバックに基づきながら、短期と長期のビジネスニーズをバランス良く考慮する必要があります。」

3.「今までで、製品戦略を大きく変更した経験はありますか?」

製品開発の過程での方向転換はよくあります。その際の適応力や変更への柔軟性を見られる質問です。回答する時、方向転換の背景や決断の過程、そしてその後の結果を具体的に共有することが大切です。

「はい、過去の役職で、私たちは当初、小規模ビジネス向けの製品を開発していました。しかしながら、SMBのユーザーからのフィードバックで、彼らは高度な機能を必要としていないという意見が多く寄せられました。このフィードバックを基に、エンタープライズの顧客に大きな市場のチャンスがあると認識しました。

この認識を受けて、私たちは製品戦略を大きく方向転換する決断をしました。エンタープライズ市場に焦点を当てることになったのです。これに伴い、製品のロードマップや市場参入戦略も大幅に変更する必要がありました。

この大きな転換の背後には、データに基づいた決定がありました。例えば、エンタープライズ市場での潜在的な顧客数、取引の平均価格、およびLTV(生涯顧客価値)などの指標が、小規模ビジネス市場よりもはるかに有望であることが示されていました。

この戦略的なシフトの結果、製品はエンタープライズ市場で大きな成功を収めることができました。私たちの製品は、多くの大手企業に採用され、前年比での収益成長率が大幅に向上しました。この経験は、市場の動向やユーザーのニーズを常に監視し、柔軟に戦略を見直す重要性を改めて教えてくれました。」


まとめ

PMの面接に合格するには、しっかりとした準備、考え抜かれた回答、そして企業や製品への深い興味が必要です。この記事でのアドバイスを参考にすると、製品マネージャーとしての夢の仕事を得るチャンスを高められるでしょう。何か質問やサポートが必要なら、遠慮なくお知らせください。

製品に関するコンサルティングやトレーニングを必要とする方、あるいはチームがいれば、gmrysko@gmail.comまでお気軽にお問い合わせください。PMの学びに関するセッションを行うのが大好きです!

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